kimuko's text.

毎日。

エッグ。(ネタバレあります)

ORANGEから3日とたたずに見に行った、NODA・MAPのエッグ。
こちらもORANGEと同じく再演。演者は変わらず。
ご存知野田秀樹の演出、妻夫木聡主演。

タイトル:エッグ(再演 エッグ)
場所:東京芸術劇場 プレイハウス
作・演出:野田秀樹
音楽:椎名林檎
出演:妻夫木聡深津絵里仲村トオル秋山菜津子大倉孝二藤井隆野田秀樹橋爪功

プレイハウスの座席B-6。端っこだけれども、最前列!俳優さんたちの、汗も細かな表情も、体のラインもすべてが目の前に。
特に、最初の頃は大倉さんが目の前にいることが多く、その次にだらだらしゃべるふかっちゃん。歌うふかっちゃんは真ん中もしくは逆側だったのが残念。妻夫木君と仲村トオルはほぼ中央。・・んん、一番近かったの、野田秀樹かも。
うん、何と言っても、そして誰もが言う、「仲村トオルの筋肉」。「タオル一丁」の時の胸から腕にかけてと、おなかが素晴らしすぎる。きっと出る前にパンプアップ欠かさないんだろうなー。

寺山修司の未公開の「エッグ」という原稿が東京芸術劇場のどこかの梁に貼り付けてあって、そこに書かれていた物語。基本的には3つの「東京オリンピック」があるパラレルワールドで、野田さんが本人としてそのパラレルワールドをつなぐ役回り。そしてそのすべての世界で行われる架空の競技、エッグ。

妻夫木君の、最初の「世界」での明るさが、最後の「世界」で消えてしまう、それがものすごく残酷でそしてわかりやすくて悲しくなる。何より、大倉さんの役どころの儚さが際立っている。4つの穴が開いたたまご。
そしてふかっちゃんの「ロッカー」。スポーツと音楽の、観衆に対する扇動的役割。
あんなに楽しそうだったエッグという競技が、最後にはひとものことすべてを壊していってしまう。。

ふかっちゃんは、「走れメルス」の時に野田さんに声だけは褒められる、って言ってて、今回まさにそれがもうあふれ出るような、歌声と、仲村トオルに向ける声と、妻夫木君に向ける声の、対比がくっきりハッキリ。そう、当時は野田秀樹とふかっちゃんはお付き合いしていて、付き合ってるのに声しか褒めてくれないのかよー、と思ったものだけれど、今回の舞台の最後、「僕には愛人はいません」と野田さんが言ったときに、ちょっと(私としては)ふかっちゃんがちらつく言葉だったのが気になった。まぁ野田さん結婚したの走れメルス終わった後のはずだし。ね。

舞台装置が素敵だった。ロッカー、すごい。最初の、原稿が落ちて机に着地するシーンも、本当に目の前だったのだけれど、最後の最後で一瞬糸が光るまで、全く見えずにきれいに落ちてきた。あと衣装も、相変わらずかわいいなー。妻夫木君がニコニコしながらナース服着てるのかわいかった~。